連日、健康保険料の実質負担増や医療費の負担増が新聞紙上を賑わせています。

厚生労働省は、医療機関における70〜74歳の高齢者の窓口負担について、現行の「1割」から「2割」への変更を検討していることを明らかにしました。また、厚生年金に関しても、標準報酬月額の上限引上げを検討していることやパート労働者などへの厚生年金適用拡大を目的として、法律改正を検討しています。

いつも抜本的な改革案を掲げた後には、単なる保険運営のための財源確保で議論が進んでいく感じに見え、先のことだから当事者意識の薄い若者が負担を背負っていく結果となっていき、問題の先送りをしているように感じるのは私だけでしょうか。引き上げばかりで可処分所得が減少していけば、働く側の意欲は削がれていくことでしょう。

例えそのような意図でないと説明があったとしても、いつも同様の問題が起これば、いくら無頓着な人でも気づき、結果として保険料を払うこと=働くことに意味を見いださなくなってくることが、社会の構造問題として出てきているのではないかと思います。

可処分所得が少なくなってくると、いままで頑張ってきたことと同じことをしていても手取り額は減っていきます。そんな中で、人は他人と自分を比較したくなる生き物で、隣の人の働き方が気になり、自分と他人の頑張りを比べてしまう傾向にあります。そのうち不平や不満が口をついて出てくるようになり、その声を放置していると様々な労務問題に発展していきます。その時に何をもって頑張っているのかを冷静に判断し、頑張りに報いるための方策を企業としてうまく表現できているのかが重要な要素となります。

何をもって評価するのかは会社の自由ですが、企業側も一生懸命生み出した利益で社員のモチベーションを上向けるため、限られた原資を効率良く使うための根本的な評価の芯がぶれていると付け焼き刃の方策となってしまい、最終的には本当に頑張っている人にしわ寄せがいってしまいます。

企業が発展していく上で労務問題は必ず起こります。本当に見るべきところから目を逸らさずに、声なき声に耳を傾け、声をかけていくことが、いま企業に求められている労務管理ではないでしょうか。

その都度改悪案が発表されるたびに、人口が減少することでしか解決策が無いのではないかと思う現代の問題を反面教師として、良い人材が減少していき、問題社員が居なくなるまで問題を先延ばしすることのないように、本当の改善案を出して皆で闘える組織を作りあげることが重要となります。


プロモーション事業部
長尾