最近やっと気候も穏やかになってきたように感じます。たまに半袖でいることが肌寒く感じる日がある程です。
景気の状況も非常に肌寒い状況が続いており、最近では「第二のリーマン・ショック」が起きるのではという憶測から更に暗い雰囲気が市場やニュースから流れています。
雰囲気というのは意外に重要で、特に労務管理上では、これ一つで社内がまとまるか、まとまらないかを大きく左右し、ひいては会社の業況に強く影響を及ぼします。

このような中で、最近よく耳にするようになった言葉で「リチーミング」というものがあります。
「リチーミング」とは、1990年代前半にフィンランドの精神科医が考案した問題解決及びチーム再構成のためのプログラムのことです。元々は子供対象に開発されましたが、大人を対象としても有効であることがわかり、ヨーロッパを中心に、企業再生プログラムとして、企業研修で活用されるようになりました。有名な企業ではノキアがこのプログラムを導入しています。
「リチーミング」の目的は、端的に言うと「問題志向から解決志向へ、組織の意識をかえる」ことにあります。

私たち日本人は、問題、失敗に直面すると「なぜそれが発生してしまったのか」という原因を探し、次に「誰がやったのか、だれの責任なのか」を追求し、責任を取らせることによってその問題を収束させようとしがちです。また、改善案を検討しても「できない理由探し」で会議が終わってしまうような場面もあるのではないでしょうか?

最近の政治家に対するバッシングやそのバッシングを受けた後の政党や政治家の対処を見ていてもやはりそのような傾向があると感じます。

これが「問題志向」です。

これに対して「解決志向」とは、その問題や失敗に対して、「どのように解決することが理想であるか」描き「その為には何を達成する必要があるか」を決定し、そのゴールに向け、現状できること、過程で出来たことを洗い出していき、組織として、その活動を実行可能なものとしていくことだと自分は認識致しました。

冒頭で雰囲気作りについて述べましたが、このどちらの志向を持つかによって、組織としての活動、つまり社員一人一人の意識と行動が変わり、それがひいては雰囲気として現れてくるのではと考えます。

過剰に責任を追求し罰することのみに終始すると逆に社員は萎縮し、その不安から自分が責められたくないが為に隠す行動に出て、本当の問題点や解決への糸口が見えてこなくなるケースがあるからです。
ただし、これは決して、困難な問題や、失敗に目を向けず、表面的に明るく取り繕っていくことが良いということではないと考えます。

解決しようにも、なぜその問題が発生しているのかを知る必要があるからです。
困難な問題や失敗が顕在化した時点で、「その原因はどのようなものか」調べることについて、組織全体でそれが「責任を誰かに取らせて収束する」ためではなく、「その問題を解決し、よりよい組織とする」ためであるとの認識が共有できており、信頼関係が結ばれていれば、その当事者も恐れることなく、その発生原因を加味した上での有効な解決策の策定に向けた意見を述べることができますし、またそのことについて組織全体で検討し、解決に向けて動くことが可能となります。

決して企業にとって、また労務管理を行う上で順風満帆な時代ではないですが、暗い雰囲気に流され、「次に責められるのは自分か…」と戦々恐々と社員が過ごさなければならないような組織ではなく、社員全員が解決に向けて一緒に活動する貴重な仲間であるとお互いに感じあえるような前を向ける組織を作っていくことが今特に求められていると感じます。
私がコンサルティングを行っていく中でも、よりこの点を重視しておこなって行きたいと思いますし、この「リチーミング」についてより認識を深め企業様にフィードバックできるようにしていきたいと思います。


プロモーション事業部 大西