最近、年金と賃金のバランスに関する相談が増えてきました。平成18年の高年齢者雇用安定法の改正時、60歳以降の社員の活用法にあまり意識が無かった企業でも、5年経過した現在、至極当然に60歳以後の雇用を継続しています。

法律により義務付けられたので当たり前なのですが、年金をもらう世代にとっては、今後の生活に関る重要な部分であり、賃金額の決定に非常に関心が高まっています。

このほど、厚生労働省から、20歳代から70歳代までの男女2,300人を対象に行った「社会保障に関するアンケート調査」の結果が発表されました。「社会保障の認知度等」「社会保障に関する意識」を性別や年齢や世帯構成別などで集計したもので、興味深い結果がありました。

ここでいう社会保障は、病気や怪我、出産や障害・死亡・失業など、個人的なリスクを国が保障し給付を行ったり、サービス提供の制度を作ったりすることですが、これらの情報をどこから収集するのかという問いがありました。

「新聞やラジオあるいはテレビ」からの情報収集が高く、男女に差は無いのですが、男性では「職場や学校」「インターネット」、女性では「広報やパンフレット」「家族・友人」と続きます。面白いのは、ここで得た知識をさらに得るために今後使う手段で多くなるのが「インターネット」「公的機関等への連絡・問い合わせ」になり、特に「インターネット」と答えた人は2倍以上増え、逆に「職場や学校」でさらに情報を収集すると答えた人は、半分以下の結果となりました。

いまや、パソコンの電源を入れれば、すぐに情報が取り出せる時代となり、そこで得た知識を補完するものが間違いの無い「公的機関」ということになるのでしょうか。裏を反せば、職場で情報を教えてもらったにも関らず公的機関に問い合わせるということは、労使関係に何らかの問題があり、信頼関係が損なわれているのではないかとも読み取れます。

このような不況下だからこそ、信頼関係を維持し、企業と労働者をつなぐ賃金は重要な部分であるので、定年後の賃金額等を決定することに限らず、社員を評価する時には、各個人個人を見て、言葉をかける血の通った労務管理を忘れてはいけないのではないでしょうか。


プロモーション事業部 長尾