今年は全国的に梅雨が早くも明け、高校野球の地方予選が始まり、夏本番に向かう中、
「暑いですね。」が近頃の挨拶言葉となっている。
特に節電の影響から、各種交通機関・商業施設ではエアコンの温度が高めに設定されていて、
どこに行っても少し汗ばんでしまう。

そんな中、「熱中症」対策も兼ねたエコな涼感グッズが流行している。

スポーツ用品店やホームセンターに行くと、涼感グッズの特設コーナーが設けられ、
特に売れているのが水に濡らして首に巻くタオルで、シンプルなデザインのものから
おしゃれなデザインのものまで幅広いのが良い。
なので、スポーツシーンだけでなく、移動中のサラリーマンが街中でしているのもよく見かける。
散歩している犬までもが首に巻いているのを見て、犬用まであるのかと驚いた。
 
例年7月8月は、「熱中症」による事故が多発し、暑さにより一人暮らしの老人が自宅で亡くなる、
子供を車内に残して用事をしている最中に亡くなる等の報道が毎年必ずある。
 
労災事故の場面でも同様で、この時期は屋外・屋内を問わず、作業中に倒れるという事故が必ずあり、
酷いケースになると倒れた際に地面や作業中に使用していた器具に
頭や顔をぶつける等二次災害にまで発展する。

しかし、私が労災事故の処理担当をしていた10数年前には顧問先から
「熱中症」による労災事故の報告を受けたことは無かった。
そもそも「熱中症」って言葉に馴染みが薄い。
どちらかというと、「熱射病」とか「日射病」と言っていたと思う。

調べてみると、「熱中症」は「熱射病」「日射病」の総称で、
「高温下での運動・労働により、発汗機構や循環系に異常をきたして起こる病気」らしい。
症状として、「体温上昇・発汗停止とともに虚脱、痙攣、精神錯乱などを起こして
生命の危険を伴う」とされている。

こんなに危険な病気なのにその当時は「熱中症」が労災事故だという認識が世の中に無く、
発生はしていたが連絡されることなく、健康保険で処理されてきたのだと思う。
 
似たような扱いであった病気は他にもあり、「鬱病」はその最たるものである。
10数年前では、健康保険の傷病手当金での申請病名に「鬱病」は皆無であり、
その当時は傷病手当金の申請自体も今ほど多くはなかったが、
「ガン」か「骨折による入院」が主だった。
それが今では、傷病手当金の申請病名の9割方が「鬱病」であり、
その当時と比べて精神疾患の診断がおりやすくなっているのがわかる。

10年一昔と言われるように、今は認知度が低いが「熱中症」「鬱病」と同じように
今後10年間でメジャーとなる病気が出るかもしれないので、
時代時代のトレンドをしっかり掴んでいき、その予防に注意喚起していきたい。