国内最大手の製薬会社が2013年4月以降の新卒採用について、TOEICで730点以上の取得を採用の条件とすると発表しました。大手衣料メーカーや通信販売サイトの運営会社が、社内の公用語を英語とするとして話題となりましたが、英語は一朝一夕で身につくものでは無いので、採用段階から一定の条件を設けてボトムアップを図ろうというのが狙いのようです。

ところで、英語を社用語(社内の公用語)とするメリットは何でしょうか?

英語を母語あるいは公用語とする人口は約15億人(世界人口の4人に1人)、またインターネット上の利用言語の約8割が英語であることを考えると、ビジネスの機会は日本語単一の場合と、そのマーケット規模において比較になりません。

加えて、英語は日本語に比べてとてもシンプルかつ実用的な言語ですので、コミュニケーションの手段としては、よりビジネス向きです。例えば、日本人が「結構です」と言った場合、それが「YES」なのか「NO」なのか、文脈で判断するより他ありません。また、文の最後まで主題について「YES」か「NO」か分からないのも日本語の特徴です。

英語を社用語化する最大のメリットと感じるのが、自国の「文化的な背景」から言語的に脱却できることなのかと思います。

例えば、ある航空会社が英語を社用語として取り入れたところ、航空機事故が劇的に減少しました。おそらく、副操縦士が機長に対して伝えるべきこと(時には進言することも)が、母国語ではその表現が「緩和」「婉曲」されてしまい、正確な意思疎通の障害になっていたようです。

その国の権力格差指標(自国文化が権威を重んじ権威に敬意を払うかどうか)が高ければ高いほど、部下が上司に対してきちんと伝えるべきことを伝えることが出来ず、それが結果として意思決定の遅れや誤りに繋がり、事故あるいはビジネスチャンスを逃すといったことにもなるのかと思います。

言葉とは、(それが日本語であれ英語であれ)意思疎通の手段・ツールに過ぎませんが、今後それをどのように選択・運用するかは、労務管理の大きな課題の1つになるかと思います。

プロモーション事業部
北村