昨年の7月1日に施行された障害者雇用促進法の改正により、今まで猶予されていた常時雇用している労働者数300人以下の企業のうち200人を超え300人以下の企業が障害者雇用納付金の適用について対象となりました。

 障害者雇用納付金は法定雇用義務不足1人につき5万円(今回新たに対象となる200人超300人以下の企業については5年間に限り4万円に軽減される)を納付する制度なので、法定雇用率未達成企業が納付する義務があります。
障害者の雇用義務は56人以上の企業(55人×一般事業主の法定雇用率1.8%=0.99であるため55人以下の企業については雇用義務は課せられないことになる)にあることになりますが、これまで障害者雇用納付金の納付義務が猶予されていた企業や、雇用義務がない企業の場合は、今まで真剣に雇用について検討しているところは少なかったと思われます。
しかし、今回の改正により障害者雇用納付金の義務が猶予されている200人以下の企業であっても(平成27年4月1日からは常時雇用する労働者数100人を超え200人以下の企業についても納付金制度の適用が拡大されます)近いうちに100人、200人を超えるかもしれないという状況であれば早い段階で準備をすることが必要になります。

従業員数5,000人以上の企業の中で最も障害者の法定雇用率が高いのは「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングです。障害者雇用促進法が定めた法定雇用率1.8%をはるかに上回る8%以上の水準を達成しています。
 雇用している人たちは、軽度の身体障害者から重度の知的障害者、精神障害者と多岐に及んでおり、重度と軽度を合わせて、知的障害のある人が全体の6割強を占めています。その中でも注目すべき点が2つあります。1つは、すべての人が現場の店舗に配属されていること。もう1つは、全盲の人と車椅子の使用者が在籍していないこと。

 これはファーストリテイリングにおける障害者雇用の目的を明確に示しているといえます。「障害者雇用は福祉目的ではなく、あくまで企業の戦力になってもらうため」「障害のあるなしに関係なく、ユニクロで力を発揮でき、継続して働いてもらえる人」を必要としていると、ファーストリテイリングでは「障害のある人の中には残念ながら、当社には活躍できる場所がない方もいらっしゃいます。そうした人たちを雇用率目的で採用することはありません」との方針を説明していました。

今回の法改正により、多くの企業で障害者雇用に関する取り組みを考えたり、納付金を納付せざるを得ない企業があったことと思われます。特に中小企業では依然として障害者雇用は難しい状況であることは事実です。
しかし、障害者雇用納付金の適用を避けるために障害者雇用率を上げても、企業経営はスムーズには進みません。障害者を雇用する目的は納付金の納付義務を免れるためではなく、障害者を戦力として考え企業内で活躍してもらうためです。

企業に必要なことは目先の納付金の支払義務を免れるのではなく、将来にわたり企業そして従業員がともに成長できる方針を考え、障害者の方にも活躍できる環境をしっかりと整えることではないでしょうか。

プロモーション事業部
中丸