「偶察力」 普段あまり聞き慣れない言葉ですが、もともとは英語の「セレンディピティ」を和訳したものとされています。意味としては、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける才能。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけに閃きを得て、思いがけない発見や幸運を掴み取る能力のことです。

世の大発明と言われるものには、この偶察力によるものが数多く存在します。例えば、ノーベルのダイナマイト発明やキュリー夫妻のラジウム発見など。身近な例ですと、オフィス用品のポストイット(付箋)があります。事務係のお仕事をされている方なら欠かせないマストアイテムではないでしょうか。

アメリカの化学メーカーである3M社の研究員が強力な接着剤を開発中に、たまたま非常に弱い接着剤(乾かない糊)を作り出してしまった事がきっかけです。当然のことながら乾かない糊は糊本来の用途からすると失敗作です。しかし、その失敗作から5年後、この乾かない糊を本の栞に応用できないかと考え、その6年後に商品化され、今では世界100カ国以上で使用されています。

文章にすると簡単ですが、普通この「乾かない糊を紙片に付けて本の栞にしよう!」などとなかなか思いつきません。また、当時商品化にゴーサインを出した会社もすごいです。
「糊が乾かない」という失敗の要素を新たに商品の特性(ポストイットが乾くと大変です)に転用したわけです。まさに何かを探しているときに探しているものとは別の価値あるものを見つける才能の賜物です。

単なる幸運や偶然とは異なり、自らが能動的にそこに向かい辿り着く力(そこで幸運を掴み取る力)こそが偶察力です。この閉塞感漂う世の中をブレイクスルーするには、個人としても組織としても、その能力や才能が強く求められているのかと思います。

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北村