先日、新入社員だった当時24歳の女性が2015年12月に過労が原因で自殺した件を受け、広告代理店最大手の会社に労働基準法違反容疑による東京労働局の強制捜査が入り、大規模な家宅捜索が行われました。

入社してまだ9か月目の社員に起こった悲惨な出来事は大きなニュースになりました。またこの件をきっかけに長時間労働の実態やパワハラ・セクハラなどの職場での嫌がらせが問題視されています。

資本主義社会で働く以上、会社は顧客に喜んでもらい、満足してもらうことで初めて、製品やサービスを購入してもらうことができます。そのため、会社が「顧客のために働く」というのは当然のことのように思えます。しかし競合他社との競争が激化してくると、中途半端な製品やサービスでは買ってくれませんので、他社よりも良い製品・サービスを提供しようと必死の企業努力を続けることになります。

そうなってくると会社は顧客のほうしか向かなくなり、従業員は駒のように扱われ、酷使された挙句耐え切れずに退職したり、最悪のケースでは過労死したりしてしまいます。今問題となっている「ブラック企業」の体質がまさにそれで、今回の事件が起こった大手広告代理店も同じような企業体質であったと言えます。

会社はそもそも従業員の集合体です。過酷な労働環境の中で従業員がどんどんいなくなれば会社は存続できなくなりますし、当然ながら顧客に製品・サービスを提供することができなくなります。外(顧客)ばかり向いて、内(従業員)を向いていない状況を放置することは会社の存続を放棄することになるのではないでしょうか。

顧客を大事にできる力があれば従業員も大事にできるはずです。活き活きと働ける会社、明るい未来を見せてくれる会社、社内の人間関係が良好な会社は外から見ても不思議とわかるもので、そのような良い情報というのは顧客の購買に関してもプラスに働き、結果として売上が増加する要因にもなっていきます。外も内も重視していく、そういった方向に多くの会社が進んでいけば良いなと強く感じます。

平成28年11月10日

コンサルティング事業部
岩田