10月も下旬になりました。既に皆さんの手元には生命保険会社等から生命保険料等の控除証明書が届いているかと思います。いよいよ年末調整の始まりです。1年が経つのは本当に早いものですね。

さて、今年の年末調整では大きな変更点の一つとして、国外にいる親族に係る扶養控除の適用が厳しくなることが挙げられます。

そもそも、扶養控除などの所得控除は、納税者と「生計を一」にする親族でその年の合計所得金額が一定金額(38万円)以下の者がいる場合に利用できる控除です。「生計を一」にするというのは、一般的には「同居し寝食を共にする」ということを示していますが、たとえ同居していなくても、生活費等の送金が行われている場合には、「生計を一」にするものとして取り扱われます。ただ、そうは言いつつも、国外にいる親族の確認をするのは非常に難しく、本人の申告をそのまま受け入れている会社がほとんどだと思います。

というように、国外居住親族の確認は“ザル”になっていました。

その確認がずさん過ぎて、中には実在するかわからないような親族を多数入れることで、多額の扶養控除を受け、所得税や住民税を全く支払っていなかった方もいるようです。税務署や市町村もいくらか黙認していた部分もあったのではないでしょうか。

私が以前関わった会社では働いている方の大半が外国人でしたが、そのほとんどが複数の国外居住親族を扶養に入れていました。もちろん、本当に「生計を一」にして扶養に入れていた方もいるかとは思いますが、事実は定かではありません。制度の穴を強く感じつつ、違和感を覚えながら処理を進めていた気がします。

国外居住親族の確認不足。これは決して本人の申告を鵜呑みにした会社だけに非があったとは言いきれず、性善説で運用されていたこの制度自体に問題があったのだと思います。ようやくそれにメスが入り、大きく是正されることになります。詳細はここでは省きますが、相応に厳格なものになっています。確実に国外の扶養親族数が減るでしょう。まずは、余計な揉め事を増やさないよう対象となる従業員に対して、今回の改正内容や添付書類等を早めに伝えておくことをおすすめします。


平成28年10月31日

マネジメント事業部