今年3月に成立した雇用保険法等の一部を改正する法律により、平成29年1月1日から65歳以上の労働者も雇用保険の適用対象となることが決まっています。企業としても増加する高齢者の雇用に関して労働条件や人件費のコントロール、モチベーションの維持をどうするか等、課題への対応が求められていますね。

 先日、厚生労働省が主催する平成28年度「高年齢者雇用開発コンテスト」の入賞企業が発表されました。こういった、企業を対象としたコンテストには職場づくりのアイデアがあふれていて、様々な企業事例を見られるので面白いものです。

 今年の最優秀賞を受賞した株式会社ハラキンは、経営理念からして「健康寿命90歳へ 90歳まで現役で働ける企業を目指す」です。また、優秀賞を受賞した企業の一つ、有限会社おとうふ家族では、「その仕事、80歳までできますか?」をテーマとして職場環境改善を行っています。理念やテーマが明確で、そのための創意工夫が自然と生まれてきそうです。

 受賞企業には多くの共通ポイントがあります。第一に、柔軟で多様な雇用形態を導入していることです。従業員本人がライフスタイルに合わせて出勤日数や勤務時間を決められたり、10通りもの勤務時間帯設定があるなど、本人の希望に応じて選択できるという制度が多く導入されています。第二に、モチベーション向上のための工夫です。再雇用後も、業務目標の明確化や教育体制の整備、人事考課の実施、定期昇給と賞与支給など、モチベーションを維持、向上させる制度を設けています。

 これらの企業事例を見ていると、定年後の再雇用者の人事制度のポイントが見えてきます。選択勤務制度などの短縮勤務、身体的な負担軽減措置、再雇用者向けの評価制度導入、評価は再雇用者であっても給与や賞与などの処遇に反映等、職場づくりのアイデアをうまく制度化していくと良いですね。いきなり制度を作ることに不安がある場合は、まずは運用ルールとして試してみて、うまくいったら制度化するという風に進めていくことをお勧めします。


平成28年10月17日

マネジメント事業部
寺西