10月に最低賃金の引き上げられます。昨年の引き上げ額も大きかったですが、今年の引き上げ額も十分に大きな額となっております。昨年までは最低賃金が600円台の県もありましたが、今回の引き上げにより全都道府県で700円以上になったことも特徴だと思います。私がアルバイトをしていた大学生時代であったり、今の職に就いて最低賃金を目にし出したときから比べても高くなったなぁと感じます。

私が特に思った感想は「地域差がより大きくなった」ということです。最低賃金が一番高いのは東京都で932円。一番低いのは沖縄県の714円。その差は218円(9月7日現在の公表結果を基にしています)。平成27年だと、東京都で907円、沖縄県で693円。その差は214円。平成27年と平成28年では、わずかながら差が広がっています。

物価も全然異なるので一概に比較してはいけませんが、給与水準が異なれば労働力は都心部に集まり地方の労働力は今以上に減少すると言えるでしょう。労働力が集まらなければ企業は成長できませんから、結果として負のスパイラルに陥ります。どれだけ福利厚生に魅力があり従業員を大事にする企業であっても、労働力を集めることができなければどうしようもありません。労働力を集めようとして、身の丈に合っていない求人内容で労働力を募集し、雇用し、給与が払えなくなってしまって事業をたたまれる企業も存在します。

採用は完全なる売り手市場ですので、最低賃金で雇用しようとしてもなかなか集まらない現実。だけれども最低賃金もしくはそれに近い給与しか出せないのも現実。景気が良くなったといっても一部の企業だけで、まだまだ苦しい地方の企業は少なくありません。

最低賃金額で雇用している企業にとって、最低賃金の引き上げは定期昇給と同じです。しかしながら、企業の業績により企業主導でコントロールできる昇給ではないために頭を抱える経営者もいらっしゃるわけで、労働者目線で最低賃金を引き上げることも大事なことだと認識していますが、雇用されている企業が存続できなければ元も子もないわけで。労働者のために最低賃金を引き上げることはとても大事です。同時に、その労働者を雇用する企業の存在も大事なわけで、企業の声にも耳を傾けてほしいとも思います。

平成28年9月12日

コンサルティング事業部
木村