「パナマ文書」が世界中で波紋を広げています。大富豪だけかと思えばそうではなく、国家元首クラスの名前までちらほら出る始末・・・水が高きから低きへ流れるように、お金もより低税率の方へと流れるのは残念ながら自然の摂理ですね。当然、社会全体的に「けしからん!」という雰囲気が蔓延していますが、これって別に法律に違反しているわけではありません。立法府の住人である国家議員や実質的に立法に関与している高級官僚達が自分の立場を棚に上げて租税回避を行うのは許されないと思いますが、その他の私人は許容の範囲内、つまり「節税」ですね。

 いわゆる「ふるさと納税」なんかと同じわけですが、私はどうもこの種のテクニックは好きになれません。贈答品目を当てに、ふるさとでもなんでもない地域に納税する・・・今回のパナマ文書で問題になっているタックスヘイブンにお金が流れるのと同じ仕組みです。自治体では納税の呼び込み合戦が起こり、贈答品がよりデラックスになったり、換金性の高いものになったり・・・違法ではなく節税対策だとしても、この仕組みが社会全体にとって良い方向に進むようには思えないのです。結局のところ、資産家になるほど節税の選択肢が増えて、そんな選択肢とは無縁の一般消費者に対して消費増税がのしかかる・・・なんだかなあ。

 世の中の多様化が進んで、違法ではないが「それって、いいの?」というケースが次から次へと発生している気がします。今まで「常識」やら「人間性善説」でひとまとめにされていた色んな事柄が、もはや通用しなくなってきています。そんな時代だからこそ、今後は「道義的責任」というものがキーワードになってくると思います。違法ではないからやったもん勝ち、ではなくて、道義的にどうだろうか、と考えられる人間が重宝されていく時代になっていくでしょう。今までは当たり前の話だったんですけどね。

平成28年4月25日

プロモーション事業部
吉村