先日ある企業の経営者の方とお話をする機会があったのですが、その中で教えていただいた興味深い話をさせていただきたいと思います。

 給与の話なのですが、その社長様は社員の給与を人件費ではないとおっしゃっていました。どういうことか伺ったところ、「社員に支払う給与は費用ではない、費用とは会社が目的を達成するために使ったお金の事で、つまり手段の事だ。」とおっしゃっていました。

 ものわかりの悪い私が良くわからないような顔をしているとその社長様は続けてこうおっしゃいました。

 「人は手段ではない。人は目的だ。経営を長く継続できない経営者は人を経営資源、給与は人件費、人を目的を達成するための手段だと思っていることが多い。つまり人を道具と考えているということだ。これで人がついてくるわけがない。」

 「経営というものは、人が人のために行う、人による活動だ。言い換えればかかわるすべての人を幸せにする仕組みなんだ。だから給与を人件費とし、費用と考えていてはいけないのだ。」とおっしゃいました。

 非常に考えさせられる話でした。確かに人件費を圧縮すると経営は短期的にはうまくいきますが、それは長くは続きません。昨今メディアで扱われるブラック企業というのがそういうものなのでしょう。

 昔はよかったのに今は色々うるさいなという方やそんなの言われても経営する為には仕方ないと思う方も多いかもしれませんが、そもそも法令違反をしているという意識が薄く、また人を道具として使い捨てているという感覚が当たり前になっている証拠だと思います。

 長期的に日本を見ると労働人口が減り、人が会社を選ぶ時代になります。その新しい時代の流れに乗って未来永劫繁栄していける企業の経営者はきっと給与を費用と考えないのだと思います。

平成27年10月14日

コンサルティング事業部
坂上