平成21年11月5日に厚生労働省から「平成21年就労条件総合調査結果の概況」という資料が発表されました。30名以上の民間企業約4000社強の統計データということで、
1.労働時間制
2.定年制等
3.賃金制度
4.資産形成に関する援助制度
の4項目について調査が行われた結果が取り纏めてあります。
その中で、今回は賃金制度に関する統計に注目しようと思います。
まず、基本給の決定要素についてですが、「職務・職種などの仕事の内容」を挙げる企業割合が最も高く、管理職で77.1%、管理職以外でも71.8%となっていおり、ついで「職務遂行能力」を挙げる企業割合が管理職で68.5%、管理職以外で67.5%という結果でした。
逆に決定要素で「業績・成果」を挙げる企業割合は管理職で45.4%、管理職以外で44.4%との結果であり、「学歴・年齢・勤続年数等」で決定する企業割合より低い順位となりました。
平成13年の調査結果と対比しますと、管理職で、17.3%、管理職以外で15.7%企業割合が低下しております。
これは、基本給の決定において長期的、且つ安定的な要素で決定し、ある程度労働者の生活の安定を図り、長期的な視点で労働者に勤務してもらいたいという企業割合が増えたということが言えると考えます。
成果主義賃金は、労働者個人の短期的な成果や業績により、賃金配分を決定し差別化を図るという制度であり2000年前後に非常に注目されましたが、基本給の変動は労働者にとって生活的にも精神的にも大きな負担となり、短期的成果への固執、長期的視野の喪失、成果の出にくい業務の敬遠、従業員同士の連携や助け合い意識の喪失、会社への帰属意識の低下等、様々な弊害も生まれ、決して万能な制度ではなく、職種や社内ポジションによっては導入が逆効果となるケースもありました。
今回の調査結果は、上記の様な弊害を加味し見直しを行う企業が増加したことを示しているのではないでしょうか。
賞与の主たる決定要素については、「業績・成果」を挙げる企業割合が最も高く、管理職で57.6%、管理職以外で58.9%という結果であり、特に企業規模が大きくなるほどその傾向は強くなっております。その他の傾向として、管理職は短期の個人成果意外に、短期の事業部門成果についても重要視している点が挙げられます。
以上の事から、基本給等月例賃金によってある程度労働者の生活の安定を図り、短期的成果については賞与によって評価するという形に企業がシフトしてきていることが伺えます。
賃金制度について「これが正解だ」という完全に普遍的であるものはなく、その時々の企業の状況、社員の構成、経済情勢、労働環境等を勘案し柔軟に設定されることをお勧め致します。


プロモーション事業部
大西