管理職とは、その名のとおり「管理」を職務とすることですが、果たしてその管理を専らとするというのは、具体的にどのような事なのでしょうか。

例えば、工場などのライン作業においては、モノを作る人とそうでない人に分かれますので、そうでない人達は、例えばラインがスムーズに流れるよう気を配ったり、受注に合わせて製造量を調整したりと、俯瞰的な視点で全体の工程を管理・監督していくのが仕事となります。
つまり、そこには、管理する側とされる側として相反する要素が明確にありますので、それぞれの職務の違いがイメージし易いか思います。

一方で、いわゆる年功序列・終身雇用などの人事雇用制度下においては、新卒の平社員からスタートし、時間の経過とともに主任や係長などの職位を経て、一般的に部長や課長などの管理職と言われる役職に就きます。同期で一番の出世頭とされるのは、これらの役職に同期の誰よりも早く就くことを意味しますが、仮に組織におけるピラミッドの底辺から頂点に向かって進む過程(出世レース)で培われ評価される要素と、本来管理職としての役割は、同じベクトルの延長線上に存在するのでしょうか?

よく、「自分はプレーヤーとして優秀だったから管理職にふさわしい」「プレーヤーとして常にトップの成績だったから、誰よりも速く管理職になるのが当たり前だ」と考えがちですが、現在の人事制度下においては、結果ご褒美として役職が与えられているわけですから、プレーヤーとしては優秀だったとしても、管理職としての適正や能力があるとは限らず、また相応の訓練が施されているわけでもありません。つまり野球でいうところの「名プレーヤー=名監督」ではないということです。

管理職として重要な仕事は、部下の能力や適正を見極め、相応の業務を割り当て、動機付けをし、一方で会社経営という視点から全体の動きを見るということ、つまり、虫の目(近いところで、複眼を使って様々な角度から注意深く見ること)と鳥の目(広い範囲を、高いところから俯瞰すること)とのバランス感覚にあり、どちらかというと、バックヤード(裏方)的な要素が強くなります。名プレーヤーとしての華々しさは、むしろ必要ありません。

日本の企業では、専門家としての経営者がいない(少ない)と言われるは、専門家としての管理職ではない人達が、いずれ経営者になるわけですから、当然のことかも知れません。
今、ここに来て求められているのは、新人のビジネスマナー研修よりも、次世代の会社経営を担う管理職をプロの視点から系統立てて育てることなのではないでしょうか。


プロモーション事業部
北村