現在、介護事業所向けの助成金がいくつかあります。
主なものに「介護基盤人材確保等助成金」、「介護未経験者確保等助成金」などがあり、助成額は違いますが、どちらも一定期間雇用を確保した場合に助成されるもので介護事業所からの労務相談と併せて要件について質問される機会が多くなりました。
一般的に介護事業所は人材の定着率が低く、離職率は全産業平均より5.4ポイント高い21.6%にもなります。介護関連職種の有効求人倍率は2.53倍(昨年12月)と突出して高く、人材確保が困難な状況になっています。背景にあるのは労働条件です。施設で働く介護職員の給与水準は全労働者平均の約6割といわれています。今年4月より介護報酬が3%引き上げになりましたが、すべての介護事業所の収入が等しく3%増えるのではなく、一定の基準を満たす事業所に報酬を上積みする「加算方式」で、条件を満たす事業所のみ収入が増えるしくみです。例えば、夜勤などの負担の大きい事業所で基準以上の人員を配置した場合や、介護福祉士などの有資格者や勤続年数の長い職員を多く配置している場合等です。しかし現行の3%の上げ幅や一定の要件を満たす事業所に限って報酬を上げる手法では、介護業界で働く方々の収入が底上げされるわけではなく、抜本的な処遇改善につながりません。
地方自治体もホームヘルパーの資格取得費用を全額助成する制度を創設したり、資格取得までの生活費を貸与するなどの介護対策に取り組み始めています。      このような対策は、現在の不況時ではなんとか人材確保の追い風になっていますが、景気が好転した後の人材定着には国を挙げての労働環境の整備が必要不可欠であると考えています。
各種助成金申請を代行して思うことは、助成金はあくまで一時金の支給であり、法改正を含めた抜本的な改善を並行して行わないと効果が限定的になってしまうので、同時に国の長期的な施策にも期待しています。

プロモーション事業部
小池