何社もの給与計算をさせて頂くなか、今年の春から今までになかった新しい制度を取り入れている企業に出会いました。「選択制401k」の確定拠出年金です。
 「選択制401k」では、掛金が所得税や住民税の対象外となる上、社会保険料の算定基礎からも外れることをご存じですか?確定拠出年金は導入企業数が年々増えていますが、まだまだ「選択制401k」を導入している企業は多くありません。

 この「選択制401K」、中小企業では既存の給与の一部を掛金の原資とすることが一般的で、会社も社員も新たな負担なく優遇措置を受けることができるのが魅力です。
 会社は、既存の給与の一定額を「社員が401kの加入を選択できる賃金」とすることができ、社員は、選択できる賃金について「全てを給与として受け取る」か「401kの掛金とする」かを選択できる、
この仕組みが「選択制401k」です。
 
例えば、給与規程を変更し、年金規約で選択制を定め厚生局の認可を受けた上で、
既存の「給与」30万円 を 「基本給」25万円、「生涯設計手当」5万円 とします。
同じ30万の給与のAさんとBさん、それぞれの選択は・・・

Aさんは、選択できる「生涯設計手当」の全部を給与として受け取る
Bさんは、選択できる「生涯設計手当」のうち3万円を401kへの掛金とする
会社から支給される給与は変更前と同じで、401kへ加入するかどうかは社員が自らの意志で選択できるのです。

401kへ加入したBさんについては、給与として受け取った27万円に対してのみ、所得税や社会保険料がかかってきます。次年度には税の削減効果は住民税にも反映されます。
401kへの拠出金は、受け取るのが将来になるため、「今の報酬」とは見なされずに、税・社会保険の算定賃金から除外されるためです。保険料を折半負担している会社にとってもメリットがありますね。

 この春導入されたその企業では、実際のところまだ加入者は少数です。ですが、社員にとって老後の資産形成を考える上で選択権があるということは一つの福利厚生といえるでしょう。
 運用益の非課税以外にこれほどの優遇措置が設けられているのには、国も様々な方法で自助努力への支援をしているということです。将来の運用結果まで考えると必ず得をするものとは言えませんのであくまで自己責任ということにはなりますが。

 余談ですが、この選択部分の賃金、「生涯設計手当」や「ライフデザイン手当」という名称が一般的ですが、この制度に関係なく、賃金制度にそんな手当があれば素敵だなと思います。その名称だけで、社員の将来を考える経営者の気持ちが伝わるような、そんな気がします。

平成27年7月16日

マネジメント事業部
寺西