毎年この時期は春闘交渉が本格的に始まる時期ですが、今年はひと味違った春闘が始まりました。春闘というと毎年、一時金やベースアップの要求が大きく取上げられますが、今年はそれに加え雇用問題が取上げられています。

 この年末年始からアメリカのサブプライムローン問題を皮切りにした世界経済の急激な悪化のなか、国内で顕在化したのが派遣社員、期間雇用の雇止めをはじめとする解雇問題です。この未曽有の不景気はこれまでの緩やかながらも長期的な経済発展の一翼を担ってきた製造業を中心に多くの雇用を生みだした派遣、期間雇用労働者の失業という形で顕著に表れました。
 自動車、電機といった日本の基幹産業を中心に派遣、期間労働者の全廃をはじめ、正規従業員の雇用、賃金にまで影響を及ぼしています。

 急激な不景気、先行きの見えない経済状況に経営者の方は会社経営はもとより、雇用問題にも強い危機感があるのは事実でしょう。一方で、国が進めた労働分野における規制緩和に問題はなかったのでしょうか。確かに派遣、期間雇用といった非正規雇用の労働者により昨年までの長期的な経済成長が維持されましたが、最初に解雇された従業員は派遣、期間雇用の従業員です。

 国の対応としては定額給付金をはじめ、各自治体では緊急雇用対策として臨時職員を雇う自治体も多く存在しますが、その募集になかなか人が集まらないといった雇用のミスマッチも生じているようです。たしかにずっと製造業に従事していた人が、求人があるからといって自治体の管轄する公共施設の管理業務に就くのは抵抗があるのも理解ができます。

 先週の国会で雇用調整助成金が改正されました。急激な経済悪化を理由による企業収益の悪化から、事業活動の縮小を余儀なくされた中小事業主が労働者を一時休業、教育訓練、出向等、雇用の維持に努力する企業に対し、雇用調整に係る手当若しくは賃金等の一部を助成する制度です。従来からの雇用調整助成金と比べると支給要件が大幅に緩和され、助成率と教育訓練費が引き上げられています。
 派遣、期間雇用の打切りや、解雇の前に毎年納付している雇用保険をおもな財源とする国の助成金を確認してみるもこの不景気を乗り切る手段のひとつとして有効ではないのでしょうか。

プロモーション事業部
中丸