本格的に冬到来ということで、寒さが厳しい季節になりました。同時に日本経済に停滞し続ける寒冷前線も一向に去る気配は見られません。契約社員を中心とした雇い止めなどの雇用問題で頭をかかえる人事担当者様も多いのではないでしょうか?

 本格的な打開策とはいかないでしょうが、先日、日本経団連と連合の労使が「ワークシェアリング」の議論を始めました。日本ではワークシェアリングという言葉は聞きなれませんが、欧米諸国では1970年代後半より導入されてきた政策の一つです。政策内容を簡潔に言うならば、「需要より供給が多い場合に、時間、雇用、賃金の組み合わせをいろいろ変えて、一定の雇用機会をより多くの労働者で分かち合う方法」ということになるかと思います。

 日本におけるワークシェアリングの類型は、大きく分けると3つあります。
@「雇用維持型」・・・
 不況などで企業の業績が悪化した際に、一人当たりの労働時間を減らすことによって企業全体での雇用を維持する政策。いわゆる緊急避難型。ドイツが典型例。
A「雇用創出型」・・・
 業務ごとの短時間労働を組み合わせることによって、積極的に雇用機会を増やしていく政策。オランダが典型例。1980年代の失業率が12%あったのが、現在では約4%までに低下している。
B「多様職業型」・・・
 多様な働き方(労働時間、雇用期間、勤務場所などが、従来の一般正社員と異なる働き方)を導入し、労働時間の短縮や雇用の維持・拡大に努める政策。

 緊急性を要するという事で、@の政策も必要かもしれませんが、一時的に雇用が増えても、その後また元に戻ってしまう可能性が高いことも考慮すれば、AやBの政策で将来的に雇用機会を増やす政策の方が国にとってはプラスになるように思えます。

 ただ、このワークシェアリングにもいろいろな問題点があります。使用者側からすれば、社会保険(雇用保険)や福利厚生費、人事管理等の負担は増えるでしょうし、労働者側からすれば賃金水準の低下は否めません。実際に経団連と連合の話合いも今後平行線をたどりそうな様相を呈しています。ただいずれにしましても、雇用問題の解決策の一つとして、政労使が知恵を出し合い、一体となって考えていかなければならないと思います。

 こういった雇用問題を受けて、日々弊社にも各会員事業所様より、多くのご質問やご相談が寄せられています。弊社としましても、人事労務コンサルティングという観点から、事業所様の良きパートナーとしてこの問題に一緒に取り組んでいく所存でございます。

プロモーション事業部
城戸