厚生労働省の「長時間労働削減推進本部」が先月から本格的に動き出しました。有休消化義務化、ストレスチェック制度義務化など、次々と打ち出される新たな方針に、現在の社会問題が見えてきます。

 先日友人に、水曜日がノー残業デーの会社が多いという話をした際、ノー残業デーがあるのはそもそも残業があることが前提となっているじゃないかと返ってきました。友人は残業がない職場なのでその感覚に違和感を覚えたようです。有休消化義務化も同じようなもので、法律によって義務を課さなければ、わずか年に5日の有休をも取得しない環境が存在するということです。海外で働く私の従妹が毎年お盆とお正月にそれぞれ2週間ほど休暇を取って帰国するのですが、外国人の同僚からはそんなに短い休みでいいの?といつも心配されると言っていました。Karoushi(過労死)という言葉がそのまま英単語になっている点からも、日本独特の働き過ぎの文化があるのでしょう。強制したところで、まじめで、心配性、周囲を気にする日本人の性格がまた新たな問題を生まないとも限りません。これから始まる過重労働対策は海外からも注目を集めていますから、これから進められる改革が世界のモデルとなれば良いのですが。

 長時間労働対策に対して中小事業主の皆さまからは、そんなの現実的に無理だよという声をよく耳にします。ビジネスが好調な時ほど忙しいもので、目をキラキラさせて休みも取らず長時間働いている人もいるでしょう。とはいえ、労働者が心身ともに健康であるということは仕事でよりよいパフォーマンスを発揮することに繋がりますから、今回の改革の目指すところが理想であることには違いないでしょう。年度末に向け業務量が増える時期です。今年の春は何かしら健康的に働ける環境作りを試みて、自ら動き始めてみる、というのはいかがでしょう。

平成27年2月9日

マネジメント事業部
寺西