ある人材サービス会社の調査によると、2015年3月卒の大学生・大学院生の8月の内定率は69.8%と過去最高になりました。景気回復を背景に企業は採用を増やしており、2015年卒の採用計画数は2014年卒と比べ16%ほど増える見通しとなっています。

 内定率は2012年以降の4年間で最高になりました。特に理系男子の内定率は79.3%と最も高くなっています。ここ数年、採用を抑制していた製造業が採用意欲を高めていることもひとつの要因です。複数の内定を得た学生も多く、内定者セミナーの回数を増やすなど企業は学生からの内定辞退の防止に力を入れています。

 そんな中、日本生産性本部・日本経済青年協議会が、2014年度の新社会人約2200人を対象に行なった、「働くことの意識」に関する調査で、「残業についてどう思うか」という質問に対して「手当がもらえるからやってもよい」と答えた若者が69.4%と過去最高だったようです。一方、「手当にかかわらず仕事だからやる」は今回23.7%にとどまりました。

 なるほど、とりわけ新社会人(の多く)にとって、残業は会社から命ぜられるもの、与えられるもの、という認識なんだと気付きました。というより、仕事そのものが「与えられて行なうもの」という認識なのでしょう。残業を「やる」のではなく、「やってもよい」と表現するところはさすが社会人1年生ですね・・・。

 今回の調査結果に対してネットの掲示板には、「残業代が欲しいなら、残業代が払えるほど利益を会社に与えろ」「まだロクに仕事も覚えてないのに…」「社会をなめている」といった意見がありました。 「人として」考えた時に共感できる部分もありますが、そういうわけにもいきません。法定時間を超えて労働した場合、時間外手当が発生します。今さら当たり前です。当たり前過ぎて腹が立つときもありますが…。

 これまでいくつものクライアントと接してきた経験上、長時間の時間外労働に悩む会社がそれをなくすのは相当困難なことです。一気になくすのは極端な話だとしても、そういった意識を持つことは大切です。何も策を打たなければ何も始まりませんし、むしろ状況は悪化していきます。だからこそ必死で悩み、策を講じる必要があるのです。実際にそういった会社をたくさん見てきましたし、この先も私はその手助けをしたいと思っています。

 労使の歩み寄りがない会社は発展しません。それは確かです。そのためにも日ごろのコミュニケーションが大事なことは重々承知していますが、言ってしまえば「人VS人」。絶対に交わらないこともあります。特に近年は年代ごと、もしくはもっと細かいくくりの世代間での思考の違いが大きくなってきているように思えます。経営サイドとしては今まで以上にリスクヘッジ重視への意識を高く持つことが重要になってきます。


平成26年9月24日

コンサルティング事業部
城戸