週刊コラム もとをたどれば

最新更新日:2017/04/05

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「作業」と「仕事」の違いについて、そこに「思考」があるかどうかということがよく言われます。何も考えず、とにかく処理をこなすことが「作業」だとすれば、目的を考え、達成方法を考え、付加価値を考えることが「仕事」だと言えます。

つまり、仕事ができる人は、例外なく何事にも「思考」があります。逆に言えば、思考力を鍛えることで、仕事ができる人間になっていくということです。

しかし、これがなかなか難しい。「思考」するには多大なエネルギーを使いますし、人間はとにかく楽な方向へ流れがちです。国際的にみても、とりわけ日本人は「思考」することが苦手だと言われています。何故でしょうか。

その原因は、社会人に至るまでの教育にあると思われます。日本の教育は小・中・高ととにかく丸暗記・知識の詰め込みの世界です。正解は1つしか存在せず、テストまでにいかに多くのことを覚えられるか。徹夜してでもテスト当日にさえ覚えていれば、次の日からは忘れてもいい。これってある意味楽ですよね。何も考えなくていいのですから。ただ、これでは思考力が鍛えられるわけがありません。

比較して、教育先進国のフィンランドはどうでしょうか。教育の内容は丸暗記とは正反対の世界です。例えば歴史の授業でも「この戦争はなぜ起こったのか」「どういう背景があったのか」「その結果何が起こったのか」等、正解が1つではない事象に対して考え、お互いの意見を争わせ、切磋琢磨していきます。思考力・創造力が自然に鍛えられる仕組みになっています。

この正解のない時代に、1つの答えを教え込む教育と、思考力を鍛える教育のどちらが適合しているかは自明の理ですよね。学校に限らず職場でも、「思考」を余儀なくされる環境は、人を育てるには絶好の環境です。そういう環境を創り出すことで、多くの人材が育つのではないでしょうか。

平成26年8月4日

プロモーション事業部
吉村

最近ニュースを賑わしている、中国上海の食肉加工会社による「使用期限切れ肉問題」ですが、問題が発生した国が中国ということもあり、過去の「偽粉ミルク問題」や「毒ギョーザ問題」を引っ張り出してきて、相当の怒りと共に報道されているようです。中国における食の安全に対する認識の乏しさやモラルの問題を取り上げ、まるで自らが正義の味方と言わんばかりにこの問題を糾弾しています。

ところがそんな報道を目にするたびに、私はほんの少し違和感を覚えることになります。

誤解の無いように申し上げておくと、今回の問題で“直接的に”悪いのは、もちろん上海の食肉加工会社であることは間違いありません。なにしろ、会社ぐるみで半年ほど期限が切れた鶏肉を使用し、牛肉の保存期限を書き換え、床に落ちた肉をまた機械に入れたりすることが発覚しているわけです。

では“間接的に”悪いのは一体誰なのでしょうか。

すぐに思い当たるのは、商品を受け入れるに際してチェックが不足していた日本企業です。「製造工程の監査やサンプル検査で品質をチェックしていたが不正は見抜けなかった」とのことですが、これまでの中国における食の安全意識についての数々の問題を知っていれば非常に苦しい言い訳にしか聞こえません。もちろん今回の当事者であるハンバーガーショップも、コンビニエンス・ストアも、偽粉ミルク問題や毒ギョーザ問題を十分すぎるほどに知っていたはずです。しかしそれでもなお、中国といういわば食の安全リスクの高い国を頼っていたには何か理由があるはずです(しかも恐ろしいことに例のコンビニエンス・ストアの社長はこれからも中国から輸入する旨の発言をしています)。

日本企業が中国を頼ってきた理由。そう、それは他でもない私たち自身にあります。
「美味しい食品をできるだけ安く手に入れたい」
不況を理由に、私たち消費者はそんなニーズをとことん企業につきつけ、企業は生き残りをかけてそれに応えてきたわけですね。少しでも安く商品を提供する為に、徹底したコスト削減をしなければならない。それを実現できたのは、人件費の安い中国に作らせて仕入れるという手法があったからこそ。

つまり今回の事件については、その責任の一端は(間接的とはいえ)もとをたどれば我々にもあるのではないか、と私は思います。それを完全に棚上げしておいて、目に見えて分かりやすい表層的なエッセンスだけを取り上げ、「ほらみたことか、また中国だ!」というトーンで断ずるだけのやり方には首をかしげてしまうのです。

目に見えるもの、聞こえてくる言葉、そういった「分かりやすいもの」だけで判断することは非常に危険です。その裏にどんな事情や背景が隠れているのか、それをしっかりと見極めないと、私たちはとんでもない方向に進んでいくことになりかねません。

今回の事件をきっかけに、中国の食品を取り扱う日本企業は、改めて中国リスクとどのように付き合うのかを改めてよく考える必要があるでしょう。また、私たち消費者も行き過ぎたニーズに走り過ぎないよう、一度省みるべきではないでしょうか。

平成26年7月28日

コンサルティング事業部
増尾

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