先日、沖縄労働局の労働者災害補償保険審査官が、約4年前に急性心筋梗塞で
死亡した県内の教育関連会社 取締役部長の男性(当時40歳)を過重労働が
原因として労災認定していた事がわかりました。

ここでの問題はこの取締役部長というのは役員であって労働者でないと
いう事です。労災保険の適用対象は「労働者」で、役員は適用対象外というのが
大原則となっています。

でも、今の世の中、現実というのは全部がそれに該当する訳ではありません。
「部長」という肩書で役員であったとしても業務の決定権がなかったり
賃金も役員報酬だけではなく、一部給与として支払われている場合も多いです。

以前は名ばかり監督者という問題がありましたが、その根本はやはり残業代や
労働時間の管理でした。労働基準法で法人等の役員は労働者でないと
決められているから、役員にしてしまえば時間の管理や残業代の支払いは
しなくて済むというのがこの名ばかり役員の問題点です。
役員といっても社長の指示には逆らえない、そして社長はどんどん
仕事を押し付ける訳です。

この男性の代理人が算出した時間外労働は、亡くなる前の半年間で月100時間、
多い時で200時間を超えていました。
平均が162時間となっていました。月に30日働いたとしてもその残業時間は
1日5時間を超えてきます。
どれだけ企業が「利用」していたのかが分かります。

この名ばかり役員の要点としてはいわゆる労働者性です。
役員というのは表向きであって、実態は使用者なのか?
労働者なのか?というところです。
それをはっきり証明させる書類が必要です。

賃金台帳・パソコン操作履歴・携帯電話・あればタイムカードや日報など
様々な状況資料があるはずです。
そして、そのような資料を監督署に提出する訳ですが、「これは大きな問題だ」と
思ってもらえる資料を準備せねばなりません。
これは調査しなければならない、と思われる資料でなければなりません。

企業としてはどうしても利益を追求するための一つの手段として考えているケースが
多いです。中小企業に多いのもわかりますが人の命にまで影響を
及ぼす行為は絶対にやめるべきです。

お父さんが会社役員になれば嬉しいものです。
でも、その実態を正しく見ていかねばなりません。

プロモーション事業部
田口