「マイナンバー制度」の関連法案が5月24日に成立しました。
成立から約3ヶ月経ち、行政では導入に向けた準備が着々と進んでいます。

先日、飲食業(従業員数860名)の事業所を訪れた際、社員番号の管理に関してご相談がありました。
社員番号の一部を店舗のコードに設定されているので、異動の際の変更が煩雑であること、アルバイト社員が多いので、退職者が後々、他店舗で新規採用ということも多く、同一人物であるかの確認が大変、といったお悩みでいらっしゃるのですが、年末調整のことを考えると、この人数規模で同一人物に2つ以上の社員番号が存在するのは避けたいところです。
将来的にはマイナンバーの活用で解決の道がありそうです。

マイナンバー制度、導入スケジュールはご存知ですか?
2015年(平成27年)10月 番号通知開始、 2016年(平成28年)1月 個人番号の利用開始 です。

では、マイナンバー(社会保障・税番号)制度の導入で何が変わるのでしょうか?
このマイナンバー制度では、行政も、民間企業も、国民も、大きく変わることになります。

法律で定められた利用範囲で、人事労務・給与に関して特に身近な利用例をご紹介しましょう。
・ 厚生年金や健康保険の資格取得の届出や各種変更の届出、給付申請など、社会保険関係の手続き
・ 雇用保険の資格取得の届出や給付申請、労災の申請など、労働保険関係の手続き
・ 各種届出・申請・申告等に必要な行政機関が発行する添付書類(住民票、課税証明書など)の省略
・ 給与所得や退職所得の源泉徴収票

例えば、健康保険の扶養追加の際、扶養家族の番号を会社に提示することで添付書類を省略できます。
例えば、退職後に国民健康保険に加入する際、被保険者資格喪失証明書が必要なくなります。
例えば、傷病手当金と厚生年金等の併給調整など、これまでのような本人の申告が必要なく、適正な給付がなされるようになります。
例えば、転居した時、氏名が変わった時、あちこちで手続きをする必要がなります。

よく社会保障・税の一元化といった報道がされますが、マイナンバー制度は、特定機関で情報を集約し「一元管理」するものではなく、各行政機関で情報を保有、「分散管理」し、必要に応じて情報の照会・提供を行うもので、先に挙げた以外にも所得の過少申告の防止や医療・福祉分野での活用、低所得者や被災者対策といったところでも活用されます。

時代に沿った改革、と言えますが、この制度の成功は民間企業の改革なしには成功しないでしょう。
法律では、事業者は施策に協力するよう努める、という努力規定の定めとなっており、システム改修等費用がかかることから、どこまで浸透するでしょうか。諸外国のように、この仕組みをワーキングプア対策や子育て対策にも活かすことができれば、よりきめ細やかな社会保障が実現できることでしょう。懸念事項がないわけではありませんが、職業柄、楽しみでもあります。


マネジメント事業部
寺西