厚生労働省の発表により「個別労働紛争解決制度」に寄せられた相談内容のうち、2012年度は「いじめ・嫌がらせ(パワハラ)」が5万1,670件に上り、2011年度までトップの「解雇」を抜いて初めて最多となりました。パワハラは2002年度には6,627件ほどでしたが、この伸びは「パワハラは労働問題なんだ」ということが浸透したことが一因でしょう。

このパワハラですが、相談者のうち正社員が39.8%に上る一方、非正規雇用も31.5%となっており、弱い立場の労働者が問題を抱える傾向が見えます。また、パワハラと言うと「経営者や上司が部下に対して行う」ものと思われがちですが、今回の結果では「同僚からのパワハラ」も増加傾向にあります。学校でのいじめ問題もクローズアップされていますが、同じことが会社間で行われていると考えると日本企業の競争力は大丈夫なの?と不安になります。

真偽のほどはわかりませんが、とある報道番組のプロデューサーがセクハラをしたということで更迭処分を受けたというニュースもありました。事実がわかりませんので軽はずみなことは言えませんが、セクハラの相談を受けると事実関係を聴取しなければなりませんし、それが事実であったとするならば当然に処分というものを企業は考えないといけません。そうでないと、被害者は労働意欲を失い労働力の提供がままならないでしょう。

ハラスメントが及ぼす会社への影響は「労働力の提供度」に関係すると言えます。当事者で考えれば前述のとおりです。被害者は「こんな環境で働きたくない」と思うでしょう。これは完全な労働力減少(退職)となってしまいます。加害者も冷ややかな目で見られるでしょうから、業務に100%の力を注げるかと言えばNoとなるはずです(こんな状況下で100%の力を発揮できる方はいないでしょうし、いたとしても問題です)。当事者の労働力は完全に低下することがわかります。と同時に、事実関係を確認する担当者もハラスメント調査や委員会立ち上げ等により「使わなくていい手間と時間」を費やすことになります。また、当事者と一緒に仕事をしていた上司・先輩・同僚への聴取時間も無駄な時間(生産性低下、残業代増加)となります。

こう考えると、ハラスメントがされることでの労働力や生産性の低下は企業全体を巻き込むものだとご理解いただけると思います。ハラスメントが起きたら解決できるよう取り組もう、では遅いのですから、ハラスメントが起きないようにすることが必須です。

プロモーション事業部
木村