厚生労働省が提出していた「障害者雇用促進法」の改正案について、今月19日、安部内閣が閣議決定をしました。
 2018年から精神障害者の雇用を義務化するというもので、5年間の激変緩和措置が設けられるとはいえ、遠い将来のことではありません。企業側から猛反対があり議論が重ねられてきたこの法案、成立すれば大きな制度改正となります。

 2012年の「障害者雇用状況の集計結果」では、民間企業での障害者雇用者数が前年より4.4%増で過去最高を更新しました。それでも法定雇用率達成企業の割合は46.8%と半分に満たない状況で、中小企業における障害者雇用状況の改善がまだまだ遅れているというのが現状です。


 2008年成立の「障害者雇用促進法改正法」により、障害者雇用納付金制度の対象が段階的に拡大されており、2015年4月からは常時雇用する労働者数が100人を超える事業主が対象(現在200人からの変更)となることが決まっています。昨年10月には「障害者虐待防止法」が施行され、事業主の責務も定められました。そして今回の改正案です。急速に法の整備が進んでいるのがうかがえますね。

 度重なる改正の背景には、日本は2007年に国連の「障害者権利条約」に署名したものの、国内法が整備できていないためまだ批准していないという問題があります。関連法の整備をなんとか早く終える必要があるのです。
 

 そもそも、なぜ障害者雇用を進める必要があるのでしょうか?
 障害者雇用を進めていく根底には、「共生社会」実現の理念があります。障害者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる社会を実現するためには職業による自立を進めることが重要なのです。

 そんなことはわかっているけど、実際うちでは無理だよ、なんて声が聞こえてきそうです。やってもらう仕事がないし、雇うお金もないよ、と。あれ?どこかで聞いたセリフですね。そうです。高年齢者の雇用が義務化となった時の事業主の声です。育児休業復帰後の短時間勤務制度の義務化の時も同じですね。最初は無理だと思われても、各事業所で工夫を重ねられ、今やどちらも当然のものとなりつつあります。


 できない理由ばかり考えていても前には進みません。既存職務を分析して、今ある作業の洗い出しを行ったり、最低賃金の減額特例も使えますので、あらゆる可能性を探っていきましょう。

 会社に合う・合わない、仕事の向き・不向きは障害者に限らず誰にでもあるものです。自社に合った人を雇用するという点では同じスタートラインと考え、障害者雇用の道を見出していきたいものです。

マネジメント事業部
寺西