この季節になると二つの対象的な事件を思い出します。
ひとつは「ハドソン川の奇跡」。
2009年1月15日、発進直後にバードストライクで両エンジンが停止し、直ちに不時着を試みようとするが、不時着する為の滑走路まで飛行する事すら不可能であったため、近くにあったハドソン川への不時着水を決断し、見事に着水を成功させ全員無事だったという事件。

もうひとつは「イタリア豪華客船座礁事故」。
2012年1月13日、イタリア中部トスカーナ州ジリオ島沖の地中海で、乗客・乗員計約4200人を乗せた大型豪華客船「コスタ・コンコルディア」が座礁、横倒しになり、数十名の犠牲者が出た事件。

二つの事件の決断者は、サレンバーガー機長(前者)とフランチェスコ・スケッティーノ船長(後者)です。
サレンバーガー機長はほんの数分で決断し、実行したわけですが、航空機事故で着水して全員無事だった、と言うのは極めて稀な話で、これを成功させたサレンバーガー氏は一躍時の人となり、アメリカの英雄と賞賛されたといいます。

一方、フランチェスコ・スケッティーノ船長は座礁してから時間は十分にあったと思われるのに人命救助を放棄し、船から逃げ出したといいます。検察側は船長の罪は2697年の禁錮刑に相当すると書面を提出されているそうですが、その後どうなったのか。

この二人はまさに賢者と愚者です。
賢者によって救われた命は賢者によって生かされた命であり、サレンバーガー機長に畏敬の念を抱きます。

また、愚者により尊い命を奪われ犠牲になられた方、ほんとうに悔しい思いをなされたと思います。船長の初動の対応が迅速になされていたら、と思うと無念で致し方ありません。ご冥福をお祈り申し上げます。

しかしながら、愚者でも船長になれるという構造がそもそもの問題であると考えてしまい、なぜ乗客・乗員約4200人の尊い命を預かることができたのか、疑問だらけです。

決断者となるべき人(賢者)は、決断することに時間をかけず、決断したことに自信を持ち覚悟を持つ、ということだと思います。

この二つの事件が、愚者を決断者にしてはならない、させてもいけないと物語っています。

会社組織の中でも決断者となるべき人は、この二つの事件のように従業員の尊い命を背負っていると言っても過言ではないと思います。それ程の使命感を持って決断を下すべきであると思います。


プロモーション事業部
中村