労務相談事例集Q&A 人事管理

最新更新日:2017/11/10

労務相談事例集Q&A

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就業規則については、その全文を周知しなければなりません。

就業規則は、労働者に周知した時点で初めて効力が生じます。また、常時10名以上の労働者がいる場合は、作成だけでなく労働基準監督署への届出も必要です。

なお、周知は以下のいずれかの方法で行なわなければなりません。
・常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること
・書面を労働者に交付すること
・磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること

保険や車検、免許の有効期限が切れているなど、明らかに「マイカー通勤を許可できる状況ではない」という場合は、会社にも責任があると見なされる可能性があります。

マイカーを通勤だけに使用していて、会社での営業活動や配達、移動などに使用していないのであれば、基本的にその管理責任は労働者にあります。しかし、たとえ個人所有の車であったとしても、通勤に使っているからには会社と100%関係がないとは言えません。

会社によっては「事故を起こした場合、会社に一切の迷惑をかけません」というような誓約書を労働者に書かかせる場合もありますが、このような誓約書に法的な力は無く、書いたからといって労働者に有利・不利が生じるものではありません。

そのため、マイカー通勤を許可する場合には、労働者が任意保険に加入しているか、免許証、車検の有効期限は切れていないかなどの確認を徹底し、会社としてきちんと管理、把握することをお勧めします。

ご質問のようなケースで、契約に違法性はなく、従業員は返還義務を負うと判示した例があります。(T交通事件 大阪地方裁判所(平21・9・3判決) 

事業主の感覚からいえば、費用を援助した従業員の「資格の持ち逃げ」を許すわけにはいきません。しかし、労働基準法第16条では、「労働契約の不履行(退職等)について損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めています。退職に際してペナルティーを科すのは、不法な足留め策として法に違反する形となってしまいます。

 このため、資格取得費用等を援助する場合、会社側は貸付金契約を結ぶことが大切です。貸付金ですから、会社は取得費用を支給したわけではなく、立て替えているだけです。従業員は費用を会社に返済する債務を負いますが、会社が定める一定期間勤務したときは、「返済を免除する」という規定を盛り込みます。早期退職した従業員が借りた金銭を返済するのは、損害賠償には該当しないという考え方です。

ご質問のようなケースが労基法第16条に抵触しないためには、資格取得が業務命令ではなく本人の自由意思であり、取得に係る費用を返還すればいつでも退職できることが前提となります。また、貸付金の額は、資格取得に係る費用の実費のみで合理的であり、貸付金免除までの勤務期間も妥当な期間でなければなりません。
その上で、冒頭で述べた判例は、以下の2点で労基法第16条に抵触しないと判断しました。

@従業員が「実働800日乗務完了をもって、返還の義務を免除する」と記載された金銭消費貸借契約言に署名押印しており、会社は自動車教習所の費用明細書を示し、従業員はこれにも署名していたこと。
A教習を受けている間は会社業務に従事することもなく、同業他社に就職してもその資格が生かせるのであって、教習費についてはそもそも従業員が負担すべき費用を会社が代わって支出したにすぎないこと。

つまり、本人に対して貸付金についての詳細な説明を行い同意を得ることと、資格取得は業務命令で
はなくあくまで本人の意思によるものであり、会社はそれをバックアップする用意があるというスタンスがポイントといえます。

自己啓発による資格取得を奨励するケースはよく見受けられますが、会社としてその費用を「補助」するか、「支給」するかで異なります。後者の場合は給与となり返還請求は困難ですので、制度を設ける前にどのような扱いとするのか、慎重に検討する必要があります。

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