労務相談事例集Q&A 人事管理

最新更新日:2017/11/10

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在宅勤務を導入する際には対象者の選定や時間管理の方法、給与額の設定や経費の負担割合など対象となる社員との間で就業条件全般について事前に取り決めておく事が重要となります。尚、在宅勤務であっても当然の事ながら労働法関係は通常の労働者同様に適用され社会保険にも継続して加入となります。

厚生労働省によるガイドラインには「使用者は、在宅勤務を行わせる場合には就業の場所として、労働者の自宅を明示しなければならない」と定められております。つまり、業務の遂行場所が在宅勤務者の起居寝食など私生活を営む自宅であることを明示するよう義務づけています。

また、とりわけ重要なのが時間管理の方法です。上記のとおり就業の場所が自宅となりますから、どこまでが労働時間でそうでないのかが曖昧になってしまいます。一般的には通常の時間管理として、会社で定める始業・終業時刻に勤務開始の連絡をさせ労働時間の管理を行うこと、同時に日報などにより都度業務の進捗状況を把握することが重要となります。要件を満たせば専門業務型や事業場外などの変形労働時間制も採用することは可能ですが、その趣旨や内容をよくご理解の上運用されることをお勧めします。

就業の場所が自宅であり直接対面して目が行き届かない状況では、前述のとおり時間管理はもちろん業務上取り扱う社内情報の管理から諸経費の負担割合など細かな部分についてもより一層の配慮やケアが必要となります。給与の額についても同様のことが言えます。

このように就業条件については、個々の雇用契約書だけではなく就業規則に在宅勤務規程などを設けることにより制度として周知・理解できるようなルール作りが肝要となります。
在宅勤務はご相談頂いた介護あるいは育児などを行っている社員やまた通勤時間が無いことからワークライフバランスを推進する上で大きなメリットがありかつ有効な制度です。貴重な労働力の確保のためにも今一度検討してみてはいかがでしょうか。

会社都合とはいえ、平均賃金の60%を休業手当として金銭補償することを条件に自宅待機を命じた日は「労働義務がない日」とみなされます。労働義務がない日に対して有給休暇の請求権は併存しませんので、自宅待機を命じた日に有給休暇を取得させることは不要です。もちろん、平均賃金の60%を休業手当として支払えば事足ります。

そもそも有給休暇の目的は、労働者に休養を取得させ心身の疲労を回復させることが目的ですから、給与が減るのは嫌だから有給休暇を取得させてほしいというのは主旨が違うような気がします。

ただし、会社が自宅待機を命じる前に有給休暇の請求があれば、有給休暇の請求は有効となります。この場合は、会社の現状を十分説明して自宅待機を理解・納得していただいた上で有給休暇の撤回を求めるようにされて下さい。

余談ですが、就業規則上で毎週日曜日を所定休日と規定したとします。この場合、日曜日は労働義務がない日とみなされますが、その日に有給休暇を取得させるということは有り得ません。今回のケースはこれと似た考えになります。

ご質問の研修が業務の一環として行われたものであれば、それが従業員の退職・在職にかかわらずその研修に要した費用を返済させることはできません。また、研修にかかった費用を理由として退職に応じないことや、研修終了後に一定期間は必ず勤務することを条件とする誓約書を書かせることなども法律に抵触します。労働基準法は、あらかじめ違約金を定める契約や転職(職業選択)の自由を不当に奪うことを禁止しているからです。

仮に、この研修が業務とは関係なく福利厚生のひとつとして従業員本人の自由意志に基づくもの、つまりその研修を受講するしないについて従業員に裁量があるものについては、方法次第ではその研修に要した費用の返済も可能な場合があります。

具体的には、研修費用を会社が一旦立て替え従業員からその貸付金について返済を求めるかたちをとります。その際に従業員との間で金銭貸借契約を締結し、貸付金の返済方法や期日、あるいは免除の要件(研修終了後に一定期間を継続勤務することによりその債務を免除する等)など定める必要があります。

いずれにしましてもお金の貸し借りに関することですので、このあたりの内容について契約書として必ず書面にて残しておくことが重要となります。また、繰り返しになりますが業務の一環として行われた研修については、このような費用の返済あるいは研修後の継続勤務を要件とすることは出来ませんので、ご注意下さい。

必ずしも直接業務に関わりがなくても、資格の取得や各種講習の受講など従業員にとって自らのキャリアアップについて会社がサポートしてくれるのは大きな魅力となります。
人材難の今、このような福利厚生のメニューがあるかどうかも会社選びの重要な要素の一つとなります。従業員の定着・キャリア形成に繋がるよう、また無用なトラブルを防ぐためにも、あらかじめ研修の目的や用途を明確にすることが重要となります。

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