この場合、原則として定年時に未消化であった有給休暇の権利は消滅せず、勤続年数についても定年退職前から継続して通算されます。有給休暇の発生にあたっては、継続勤務の要件があり、定年により一旦途切れて再雇用でまた新たに発生させるかどうかについては、実態に即して判断されます。

ご相談頂いた内容のように、定年退職による退職者を引き続き嘱託として再雇用している場合(退職金規程に基づき、所定の退職金を支給した場合も含みます)は継続勤務として扱われますが、退職と再雇用との間に相当期間があり客観的に雇用関係が途切れていると認められる場合には、継続性は無いと判断されます。この場合については、当然退職前の未消化の有給休暇は消滅し、通常通り新たな勤続年数のカウントとなります。
同様のケースとして、パートやアルバイトから正社員に切り替わった場合や在籍で出向した場合なども上記のように扱います。

また、再雇用後に有給休暇を付与する際には、付与する時点の雇用契約の内容により付与日数も変わってきます。仮に再雇用後の契約内容が週4日以下・30時間未満であれば、短時間労働者として所定労働日数に応じて比例付与となります。ただし、勤続年数は通算されていますので付与日数にはご注意下さい。

公的年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、平成18年4月以降段階的に定年の引上げや継続雇用など高齢者の雇用確保措置が会社に義務付けられています。少子高齢化に伴い企業組織においても労働者の高齢化が進む中で、体力面でのサポートやモチベーション等メンタル面でのケアなど今後の会社運営において避けては通れない課題となっています。これらの有給休暇については活用次第では、非常に有効なツールとなりますので、今らか社内におけるルール作りを進め準備しておく事が重要となります。